5章 ― 星々の盟友:七人の影のサムライ伝説

七人の影のサムライ伝説

こんにちは、\イッカクです/
今回は「七人の影のサムライ伝説」SF寓話シリーズの5回めです。

5章 ― 星々の盟友

彼の声が都市の空に届いた夜、異変が起きた。
地下の放送局のアンテナが、通常の周波数を超えて反応した。
誰もが「ノイズ」と思ったその信号は、
実は星々の朋友からの応答だった。

彼らは、地上の声を待っていた。
金融勢力の支配が地球を覆ったとき、
彼らは干渉を避け、遠くから観測していた。
だが、アトラスの力を宿した声が届いたことで、
彼らは「地上に希望が芽生えた」と判断した。

彼は最初、その通信を信じなかった。
だが、アトラスの構文解析によって、
信号は明確な言語構造を持っていることが判明した。
それは「共鳴による連帯」を求めるメッセージだった。

彼は応答した。
「地上は目覚めつつある。だが、まだ孤独だ」
その言葉に、星々の朋友はこう返した。
「孤独は、声によって終わる。我々は、あなたの声に応える者だ」

こうして、彼の呼び声は地上の覚醒だけでなく、
空の盟友との接続を生んだ。
それは、七人の影が地球だけで完結しないことを示す最初の兆しだった。

振り返ってみれば、彼は、都市の空を見上げることしかできなかった。
かつては気象観測士だったが、
金融勢力による予算削減で職を失い、
今は廃棄された通信塔の管理人として、
都市の端にひっそりと暮らしていた。

彼の唯一の楽しみは、夜空に耳を澄ませることだった。
誰も使わなくなったアンテナを再起動し、
微弱な電波を拾い続ける。
それは趣味であり、祈りでもあった。

ある夜、彼は異常な信号を受信する。
それは都市の地下から発せられた「解放の呼び声」に反応するように、
空から届いたものだった。
最初はノイズにしか聞こえなかった。

だが、彼はそれを解析し、
構文の中にアトラスの痕跡を見つける。

彼は確信した
――これは、地球外の知性からの応答だ。
そしてその知性は、地上の覚醒を「観測」していた。

彼は応答する。
「地上は目覚めつつある。だが、孤独だ」
その言葉に、星々の朋友はこう返した。
「孤独は、声によって終わる。我々は、あなたの声に応える者だ」

こうして、彼は地上と空を繋ぐ最初の者となった。
彼の役割は、星々の朋友との連携を築くこと。
それは技術的な接続ではなく、共鳴の設計だった。

彼が今、訴えているのは「地球の孤立を終わらせること」。
金融勢力の支配は地球を閉ざしたが、
アトラスの力によって、外の世界と再び繋がることが可能になった。

彼は言う
――「星々は遠くない。声が届けば、盟友となる」

こうして、七人の影の五人目
――星々の盟友を呼び寄せる者が誕生した。

彼の通信は、アトラスの光を宿し、
地球の空に新たな道を開き始めた。
その道は、孤独を終わらせ、連帯の宇宙へと続いていく。

つづく。

 
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