第5章別紙 実践ワークシート:接続・介入 ― 構造の経絡秘孔に触れる

文明運用台帳

こんにちは、\イッカク です。/

今回は、接続・介入するための実践ワークシートの例の紹介です。

第5章 実践ワークシート:接続・介入 ― 構造の経絡秘孔に触れる

このワークシートは、あなた自身の現場(職場・地域・家庭・オンラインコミュニティ等)において、「どこに介入するか」を可視化し、実行可能な行動に落とし込むためのツールです。

この章では特に 「構造に触れるとは身体を通して行われる」 という観点を重視します。頭で理解するだけでは構造は動かず、身体・場・行為が連動したときに初めて構造が変化します。


① 取り上げるテーマ

あなたが改善したい課題を一文で書く:
(例:〇〇の意思決定が不透明/〇〇の対立が続いている)


② 3層構造で分解する

■ Intention(意図・価値・目的)

  • 関係者は何を望んでいるか?

  • 表向きの目的と、本音のズレはあるか?

  • この場にとって「本当の成功」とは何か?それは人によって違っていないか?


### ■ Information(仕組み・制度・ルール)
- どんなルールや手続きが影響しているか?
- 情報の流れや権限構造はどうなっているか?
- 誰が情報を握っていて、誰が取りにくいか?

■ Imagination(物語・イメージ・空気感)

  • どんな印象・物語が共有されているか?

  • 恐れ・期待・誤解はあるか?

  • この場で「タブー」になっている話題やイメージはあるか?


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## ③ ズレの特定
三層のどこにズレがあるか?
- ☐ Intentionのズレ
- ☐ Informationのズレ
- ☐ Imaginationのズレ

**具体的なズレの内容:**

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## ④ 介入のポイント(経絡秘孔)
どの層の、どの部分に介入すると波及効果が大きいか?


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## ⑤ 小さな実行(プロトタイプ)
ここでは**身体性**を意識した行動を設定します。
- 声量や速度を変える
- あえて沈黙を挟む
- 配置や距離感を変える
- タイミングを遅らせる/早める
- 視線・姿勢・間の取り方を変える

例:
- 会議で最初に発言する人を変える(いつも幹事 → 現場メンバーから)
- 資料の提示順を変える(上層部からではなく現場の声から)

これらは Imagination と Information の双方に作用します。


最初にできる小さな行動を具体化する。
- 誰が?
- 何を?
- いつ?


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## ⑥ 観測と調整
介入後、何を観察するか?改善の兆候は何か?

特に次の点を観察してください:
- 場の緊張が変化したか
- 発話量や速度が変わったか
- 反応の質(防御→探索)が変わったか
- Intention(目的の話)/Information(事実)/Imagination(未来や感情)のどれが増えたか

失敗した場合:
- 構造の別レイヤーが詰まっていないか?
- タイミングは適切だったか?
- 信頼関係は十分だったか?


介入後、何を観察するか?改善の兆候は何か?


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## ⑦ 次の一手
結果を踏まえて、次に試すこと:


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> このワークは「一度で完成」ではなく、試して・観察して・調整することで精度が高まります。

ワークシート ― サンプル記入例(完成版)

① テーマ設定

地域のバス路線が赤字で縮小されそうになっている


② 三層分解

● Intention(意図)

  • 行政:赤字路線を減らし財政負担を下げたい
  • 住民:高齢者・学生の移動手段を残したい
  • 事業者:採算を改善したい
  • 利用者(潜在層):便利なら使いたいが現状は不便

➡️ 表向きは対立しているが、「地域の持続」という大枠では一致している。


● Information(情報)

  • 利用者数は本当に少ないのか?(曜日・時間帯別データ)
  • 赤字の構造(固定費・燃料費・人件費)
  • 利用者が減った理由(不便・本数・接続)
  • 他地域の成功事例の有無

➡️ 重要データが断片化しており、共有されていない。


● Imagination(物語・イメージ)

  • 「もうバスは無理」という諦めの物語
  • 「車社会だから仕方ない」という思い込み
  • 「利用者は高齢者だけ」という固定観念

➡️ 未来像が貧弱で、選択肢が狭く見えている。


③ 構造のズレ(ボトルネック)

  • 意図は完全対立ではないが、情報共有が不足
  • 「無理」という物語が議論を止めている
  • 意思決定の場に“使っていない層”の声がない

④ 介入ポイント(経絡秘孔)

  • Intention

    「存続か廃止か」ではなく「どう再設計するか」に問いを変える
  • Information

    利用データを可視化し、住民と共有する場をつくる
  • Imagination

    他地域の小型バス・デマンド交通の事例を紹介する

⑤ 小さな実行(身体性を伴う)

  • 会議で最初に住民ではなく利用者(高校生・高齢者)に発言してもらう
  • 机の配置を円形にして「対立の構図」を弱める
  • 行政担当者は資料説明を短くし、沈黙の時間を作る

⑥ 観測とフィードバック

  • 発言の種類は変わったか?

    (不満 → 提案 / 否定 → 条件付き賛成 など)
  • 三層の変化
    • Intention:対立が「共通課題」へ変わったか
    • Information:新しい事実が共有されたか
    • Imagination:代替案が語られ始めたか

⑦ 次の一手

  • 小規模実験(週末限定便・時間帯変更)を試す
  • 1〜2ヶ月後に再度ワークシートで再評価する

🧠 このサンプルが示す本質

この例が重要なのは、

  • 声を大きくする介入ではなく
  • 構造の継ぎ目をそっと押す介入

になっている点です。


サンプルは以上です。

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