第2回:日本の財政ダブルスタンダードはなぜ解消できないのか

国民を置き去りにしてしまう日本の構造

こんにちは、\イッカクです。/

今回は「 国民を置き去りにしてしまう日本の構造シリーズ」2回目。


シリーズ第1回では、戦後日本の財政制度の分岐点を整理しました。

今回はその続きとして、
現代における「財政ダブルスタンダード」の構造と、
なぜそれが放置され続けるのかを解き明かします。


1. ダブルスタンダードとは何か

ここでいう「ダブルスタンダード」とは、
同じ国家財政という名の下で、
扱い方や透明性が異なる二重の基準が存在する状態を指します。

  • 一般会計:
    国民への説明が比較的明瞭

  • 特別会計・政府関係機関勘定:
    情報が分断され、追跡困難

この二重基準が、国民のIntentionとの接続を断絶させています。


2. 日本の財政は三つのOS(運用システム)で動いている

財政を「会計OS」と捉えると、三層構造になっています:

  1. 一般会計:国民生活に直結する予算

  2. 特別会計:目的別に資金を閉じ、運用ルールが異なる

  3. 政府関係機関勘定:半独立的な資金循環で、財務省の直接管理下にない

この三層構造自体が、一本化を阻む制度的要因です。


3. 「一本化」を拒む制度機能

財政OSを分断する具体的な制度機能は以下の通りです:

  • 目的別会計原則:資金用途ごとに会計を分け、自由な再配分を制限

  • 資金循環の閉鎖性:特別会計や外郭団体勘定は、独立した資金流を形成

  • 会計基準の非互換性:一般会計との整合性を欠き、横断的監査を困難にする

これらは単なる運用の不都合ではなく、制度として意図的に分断を維持する設計です。


4. 不可逆化した制度確定点

歴史をたどると、制度確定点が「ダブルスタンダード」を不可逆化しています:

  • 1954年:特別会計法の制定

    特定目的資金の独立化と、会計閉鎖性の法制化

  • 1961年:外為特会創設

    外貨準備運用の分離と国民への説明責任の分断

  • 1973年:年金積立方式スタート

    社会保障財源の積立管理と、一般会計からの独立

これらの法制度は、
IntentionとInformationの断絶を恒久化する
「OS設計の固定化点」となっています。


5. 現代の事例としてのコロナ禍

COVID-19における膨大な緊急予算は、
国民の生活や安全保障に直結するはずのIntentionを
十分に反映できませんでした。

結果として、
「使途不明金」が報じられましたが、
これは不正ではなく制度OSの不可視性の露呈です。

  • Intention(国民生活最優先)

  • Information(会計制度・法文書)

  • Imagination(国民が体験する現実)

三層の接続が十分に維持されなかったため、
現場での透明性と説明可能性が失われました。


6. 財政OSの制約としての「説明不能」

なぜ財政は説明されにくいのか。理由は明快です:

  • OS設計により、横断的監査や再配分が制度的に困難

  • Intentionとの紐づけ作業が現場で省略されやすい

  • 会計ルールが層ごとに異なり、国民向け説明が後回しになる

現場で再接続説明を行うには、
人と設備を投入するくらいやる必要があります。
面倒だからこそ放置される現実があります。


7. 第1回の要求定義との接続

第1回で提案した
「紐づけ・再接続説明・トレーサビリティ」は、
財政OSの上でこそ意味を持ちます。

具体的には:

  1. 政策文書に憲法条文を明示

  2. Intentionと制度設計の紐づけを必須化

  3. 緊急時でも再接続説明義務を確保

  4. 会計OSを横断して透明性を確保

  5. 不履行時のコストを明示し、事前投資を正当化

OS構造が複雑だからこそ、
これらの要求定義は「前払いコスト」として合理的です。


8. 結び

財政のダブルスタンダードは、
単なる官僚の不手際や政治の怠慢ではなく、
制度OSとして固定化された構造問題です。


シリーズ第1回で分岐点を押さえ、
第2回で現状構造を分析することで、
Intention・Information・Imaginationの
接続を取り戻す具体策が見えてきました。

次回は、この財政OSを動かす現場運用と、
市民が置き去りにされないための
「制度的安全弁」について考察します。


では、また。

タイトルとURLをコピーしました