こんにちは、\イッカク です。/
今回は、解散発言と飲食料品への曖昧な消費税の扱いについて
高市総理の『消費税の対象としない』発言を、
言葉そのものから観測する
私たちは、いま何を見せられているのだろうか。
政策なのか、選挙向けの演出なのか。
それとも、言葉だけが先に走り、
意味は後回しにされた発話なのか。
ここでは評価や賛否を急がず、
総理の発言を、
使われた言葉そのものから静かに観測してみたい。
演目1 解散発言というフック
高市総理は、解散に言及する発言を行い、
政局に一気に注目を集めた。
解散そのものが実施されるかどうか以上に、
この発言は空気を切り替える役割を果たしている。
解散という言葉は、
それだけで緊張と期待を生む。
国会運営、
党内力学、
選挙日程といった具体論より先に、
舞台が切り替わったという印象を与える。
ここで重要なのは、
実行よりも先に、関心を一点に集める効果が生じている点である。
演目2 『消費税の対象としない』という発言
続いて出てきたのが、
飲食料品について、
消費税の対象としないという発言である。
ここで注意すべきなのは、
この言葉が何を含み、
何を含んでいないかだ。
減税とも言っていない。
消費税ゼロとも言っていない。
非課税という制度用語も使われていない。
ただ、消費税の対象としない、という表現が選ばれている。
この一文は、
聞き手の側でさまざまな解釈を誘発しやすい。
生活が楽になるのではないか、
減税に踏み込んだのではないか、
そうした期待が自然に立ち上がる。
しかし、それらは発話された言葉そのものではなく、
受け手側の補完によって生まれている。
なぜ曖昧さが残るのか
消費税制度において、
課税、
非課税、
対象外は、
それぞれ意味も実務も異なる。
言葉を一段抽象化した表現を使うことで、
具体的な制度設計や実務上の帰結は語られないままになる。
この曖昧さは、
否定も肯定もせず、
期待だけを先行させる。
選挙前の局面においては、とても扱いやすい表現でもある。
小売・事業者の視点から見る、この発言
ここで一度、消費者の期待から離れ、
現場で商いをしている側の視点に立ってみる。
仮に飲食料品が消費税の対象とされなくなった場合、
事業者にとって重要なのは、
響きの良さではなく、
会計と実務がどう変わるかである。
仕入れ時に支払った消費税の扱い、
帳簿処理、
価格設定、
レジや会計システムの変更など、
細かな調整が一斉に発生する。
特に小規模事業者にとって、
これは負担と手間が増える可能性をはらんでいる。
消費者向けには恩恵の物語が語られ、
事業者側には説明されていない
調整責任が残る。
両者の間にズレが生じる構造である。
アトラス理論による構造的な見方
ここまでを整理すると、
意図、設計、現象が分離したまま進んでいる
状態が見えてくる。
発言は強い印象を与える一方で、
制度設計としての具体像は示されていない。
その結果、
受け手はそれぞれの立場で意味を補完し、
現象だけが先行する。
このような状態は、
整った接続ではなく、
ばらばらに立ち上がった観測が併存している状態といえる。
では、私たちはどこを観測すべきか
重要なのは、
期待や怒りに反応することではなく、
使われた言葉と、
その言葉が避けた領域を観測することだ。
何が言われ、
何が言われていないのか。
その差分にこそ、
現実の判断材料がある。
政治を理解するために必要なのは、
物語に乗ることではなく、
言葉の位置を静かに測る視点なのかもしれない。
_______________________
では、また。

