『無税』という言葉に注意

アトラス理論で読む

こんにちは、\イッカク です。/
今回は政治家が消費税を語るときに、使う、曖昧なことば【無税】について

あるニュースより
「飲食料品は2年間に限り消費税の対象としないこと。
これは私自身の悲願でもあった」。
首相は19日の記者会見で、
23日の衆院解散を表明した後、
進めたい政策の一つに消費税減税を挙げた。・・・コレ、本当でしょうか?

※このブログ記事は、特定の政党・人物を支持/不支持する目的ではなく、
制度理解のための啓蒙を目的としています。

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■ はじめに

最近、「飲食料品を無税にする」という発言を耳にした人も多いと思います。
一見すると、とても分かりやすく、生活が楽になりそうな言葉です。

ですが、この「無税」という表現――
制度的には、かなり危うい。

なぜなら、消費税の世界では
無税という正式な制度用語は存在しないからです。

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■ 実は、選択肢は2つしかない

消費税に関して「税を取らない」方法は、制度上この2つだけです。

【1】非課税
【2】消費税ゼロ%(税率0%)

この違いを知らないと、政策の中身を正しく判断できません。

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■ 非課税とは何か

非課税とは、
「消費税を取らない」代わりに、
仕入れや経費に含まれる消費税が戻ってこない仕組みです。

つまり、
・お店はお客さんから税を取れない
・でも仕入れでは税を払っている
・その税は控除できない

結果として、
事業者が税をかぶることになります。

これは、価格に転嫁されるか、
事業者の体力を削るか、どちらかです。

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■ 消費税ゼロ%(税率0%)とは何か

一方、税率0%は仕組みがまったく違います。

・課税対象のまま
・税率だけを0%にする
・仕入税額控除は可能

この場合、
仕入れで払った消費税は戻ってきます。

だからこそ、
価格を下げることができる

本当に「無税」と呼べるのは、
制度的にはこちらだけです。

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■ なぜ「無税」という曖昧な言葉が使われるのか

理由はシンプルです。

・「非課税」と言えば
 → 価格が下がらないことがバレる

・「税率0%」と言えば
 → 法改正・財源・インボイスの議論が避けられない

だから、
どちらとも取れる『無税』という言葉が使われる

これは、理解不足ではなく、
意図的に制度をぼかす話法です。

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■ 2年限定という条件が示すもの

もし本気で税率0%をやるなら、
・制度改正のコストは巨大
・2年で元に戻す方が非合理

短期限定が成立するのは、
非課税的な処理の場合です。

つまり、
国民には「安くなる期待」
事業者には「見えにくい負担」

この二重構造が生まれます。

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■ 多くの国民が知らないのは、当然

この違いは、
学校でも、ニュースでも、ほとんど説明されません。

知っているのは、
・中小事業者
・フリーランス
・税務に触れる人

ごく一部です。

だからこそ、
曖昧な言葉が政治で使われる。

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■ 見極めるポイント

今後、こうした発言を聞いたら、
次の点だけを確認してください。

・法律に「税率0%」と書かれているか
・仕入税額控除はどうなるのか
・インボイスの扱いはどうなるのか

これが示されない限り、
その『無税』は存在していません。

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■ おわりに

「無税」という言葉に、善悪はありません。

問題なのは、
制度の中身を語らず、印象だけが先行することです。

知ることは、支持でも反対でもありません。

ただ、
騙されないための最低限の知識です。

この記事が、その一助になれば幸いです。


では、また。

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