こんにちは、\イッカク です。/
今回は、「現象誤認を解く──事実から考える日本の現在地」シリーズの6回目。
日常レベルで使える「点検の手順」
現象誤認を解く──事実から考える日本の現在地 シリーズ5
前回までで、
「現象を原因として扱ってしまう」
という、私たちが日常的に陥りやすい誤認構造を確認してきた。
今回はその続きとして、
読者が日常生活の中で実際に使える「点検の手順」 をまとめる。
ポイントは4つだけである。
1)現象を“そのまま”切り出す
私たちは、起こった出来事をそのまま見ているつもりで、
同時に「解釈」や「評価」を貼り付けてしまう。
物価が上がった
円安が進んだ
収入が減った
不安なニュースが増えた
これらは事実ではない。
ただの“現象” であり、原因ではない。
まず行うべきことは一つ。
数字と変化だけを書く。
意味付け・感情・評価を一切入れない。
この段階で余計な解釈が混じると、
その後の全体像が歪んでしまう。
2)“原因らしきもの”を一度すべて棚上げする
現象を見ると、
人は必ず「原因」を急いで特定しようとする。
世界情勢のせい
政府のせい
他人の性格のせい
自分の努力不足のせい
これらは一見、説明になっているようで、
実際には現象へ後付けしたストーリーでしかない。
そこで必要なのが、
「原因に見えるもの」を、いったん全部脇へ置く。
原因を決めない、のではない。
“決め急がない”ための手順である。
ここを飛ばすと、
誤認した原因に合わせて思考が暴走し始める。
3)Intention(目的の最上位)を確認する
次に、
あなた自身や組織にとっての “本当に守りたいもの” を確認する。
抽象的なスローガンではなく、
行動を決める最上位目的だ。
例として:
家計:生活の安定
仕事:顧客維持
健康:長期的な継続可能性
組織:全体最適
Intention が明確になると、
必要な情報と不要な情報が自然に分離する。
目的から見て意味のない情報は、
考える価値がなくなる。
4)成列/乱列を点検する(5つの質問)
最後に、
状況が 成列(整合)か乱列(不整合)か を確認する。
成列/乱列は「良い悪い」ではない。
構造が整っているか、途中で崩れているかの判定である。
次の5つに注目する。
1)目的(Intention)ははっきりしているか
2)判断の基準が一定か
3)扱う情報が適切な量か
4)行動と目的が接続しているか
5)“原因らしさ”で判断していないか(=現象との混同がないか)
5つすべてに「はい」と言えれば成列。
ひとつでも欠ければ乱列。
乱列は失敗ではない。
整理の途中 というだけである。
整理すれば、成列に戻せる。
まとめ:誤認を防ぐための最小プロトコル
今回の記事をまとめると、次のようになる。
現象を「生のまま」切り出す
原因の思い込みをいったん捨てる
最上位目的(Intention)を確認する
成列/乱列の点検で構造を整える
これが日常レベルで使える、
最もシンプルかつ効果的な誤認防止の手順である。
次回予告
次回は、この点検手順を
家庭
仕事
組織
政治的現象
社会問題
それぞれに当てはめると何が起きるのか。
構造が整うと、見えている世界がどう変わるのか。
事例を交えながら解説していく。
つづく。

