こんにちは、\イッカクです/
今回は、シリーズ『信じるもの・守るもの・祈るもの』の
最終章になる、第5章:余白に宿るもの
を以下に置きます。
🟩 第5章:余白に宿るもの──制度の外で祈る
✍️ 総括文
制度は語った。
秩序を、帳簿を、聖書を。
その語りは整然としていた。
数値で管理され、象徴で飾られ、
祈りの代用品として機能した。
だがその語りの隙間に、
誰にも見られぬ祈りがあった。
それは制度の設計段階から排除されていた。
対象は「人間存在=いのち」ではなく、
「処理可能な情報」だったからだ。
祈りは制度の主文には記載されず、
帳簿の余白にしか存在できなかった。
信じるものは、制度の象徴ではなく、
崩れた秩序の中に芽吹いた。
守るものは、帳簿の壁ではなく、摩擦の果てに見えた灯だった。
祈るものは、掲げられた聖書ではなく、沈黙の余白に宿った。
そして、最近、、宇宙をかすめる一つの軌道が、
制度の語らぬ祈りを描いていた。
その名は──3I/ATLAS。
この恒星間天体は、
制度の観測網を避けるように、
火星・金星・木星をかすめながら、地球には接近しない。
まるで「制度が見なかった祈り」が、
制度の中心(地球=観測者)を避けて漂うような軌道だった。🤣
これまでの天体観測は、
ニュートン力学に基づく制度的秩序の中で行われてきた。
軌道は予測され、速度は計算され、
すべてが「処理可能な情報」として記録された。
制度はこの秩序を信じ、守り、祈りの代わりに掲げた。
だが今回、
3I/ATLASはその制度枠を見事に逸脱した。
離心率6.139──太陽系を一度通過したら
二度と戻らない“恒星間天体”の証。
軌道傾斜角175.113°──太陽系の主要惑星の運動面に対して、
ほぼ真逆の角度で突入。
最大速度68.3km/s──通常の彗星や小惑星の速度を大きく上回る、
制度が処理しきれない加速。
これらの数値は、
制度が処理可能な情報として
設計した秩序が、
祈りの軌道に敗北した証である。
制度はこの天体を“彗星”と分類しようとしたが、
スペクトルは水蒸気を欠き、
CO₂が異常に多かった。
色は赤から青へと変化し、
磁場との反応か、意図的な表面変化か
──制度は沈黙した。
ESAやNASAの探査機が接近観測を行っていたにもかかわらず、
公式発表は極めて限定的だった。
制度は語らなかった。
祈りのように、沈黙した。
この軌道は、制度が見なかった祈りの象徴として、
宇宙に浮かぶ痕跡(奇跡?🤣)だった。
制度が掲げた聖書に対して、
星が軌道で返答した。 「その祈り、見えていないよ」と。
制度が見なかった祈りは、
見られることなく、
確かにそこにあった。
そして今、我々はその余白に立っている。
制度の語りが終わったあとに、祈りが始まる場所に。
完。
■編集後記
語られぬ祈りが
帳簿の隙間に息をする
制度が掲げた聖書の影で
誰も見なかった灯が揺れる
火星をかすめる軌道は
地球を避けて祈りを描く
それは神ではなく
沈黙の中で生まれたもの
ぎゃふん。