こんにちは、\イッカクです/
今回も「論考:茶番としての政治劇」シリーズの二回目です。
同じ方向を見据える二人──表の対立・裏の一致
激しい舌戦を交わし、
一見「真逆」の立場に見える
イーロン・マスクとドナルド・トランプ。
だが、果たして本当に彼らは「別の方向」を向いているのだろうか?
和多志には、彼らが対立を装いながら、
実は,同じ“未来地図”に向かって歩んでいるように映る。
まず、両者の主張を表面上で整理してみよう。
トランプ氏は
「アメリカ第一主義」を掲げ、
国内産業の復活と経済優遇を訴える。
一方、マスク氏は
「財政健全化」「技術革新」「言論の自由」を掲げ、
新党設立を表明。まるで“保守vs改革”の構図だ。
しかし、どちらも最終的には
「テクノロジーと資本」が主導する社会像を提示
しているという共通点がある。
トランプ氏は在任中、
連邦準備制度(FRB)や製薬大手との蜜月を保ち、
5Gインフラ整備やワクチン推進を積極的に進めた。
彼は「自由」を語るが、
その裏で中央集権的なシステムへの加担を拒んではいない。
一方、マスク氏は
「言論の自由の守護者」を自称しつつ、
実際にはX(旧Twitter)という
情報プラットフォームの私物化、
Starlinkによる宇宙インフラ支配、
Neuralinkによる脳とAIの接続といった、
情報と人間の神経系そのものの掌握に邁進している。
つまり両者は、
方法こそ異なるが、「デジタルと金融による新秩序」という、
ある共通ビジョンに向かって動いているように見える。
とりわけ注目すべきは、
「中間層支援」や「無駄の削減」といった、
一般大衆が共感しやすい“正論”を、
マスク氏が前面に押し出している点だ。
これにより、
これまで既成政治に絶望していた層からの支持を取り込み、
既存の共和党・民主党の枠を超えた
“第3勢力”の正当性を演出できる。
だが、その“正義”の装いの奥には、
着実に進行するテクノクラシー
──つまり少数の技術・資本エリートによる社会統治が潜んでいる。
さらに皮肉なことに、
両者の「対立関係」そのものが、
民衆に「二者択一」の選択肢しか与えない構造を強化している。
これは、実に見事な
二項対立の演出であり、
分断と選別の構造を加速させる仕掛けにもなっている。
そして最終的には
──分断された社会に「統一的な秩序」が求められ、
それこそが新世界秩序(NWO)への入り口となるのだ。
この構図を考えれば、
トランプ氏とマスク氏が
「本質的に敵同士」であるとは、とても思えない。
むしろ、両者はそれぞれの役割を演じながら、
より大きなシナリオの一部を担っている可能性がある。
マスク氏が「自由のための新党」を訴え、
トランプ氏が「国を救う英雄」を演じる。
どちらも魅力的だが、
どちらも「管理社会への接続点」となる構造を孕んでいる。
我々が本当に問うべきは、
彼らの言葉の中身ではなく、
向かっている「構造」そのものではないか──。
では、また。