こんにちは、\イッカクです/
今回は、30年も放ったらかしになってる
日本の政治・経済の停滞の真相についての
論考シリーズの第1回目を以下置きます。
第1章 どうして日本はここまで
停滞したのか
――ゆっくりと原因をたどる入り口の話
振り返ってみると、この30年ほど、
私たちの暮らしはずっと“我慢比べ”のような状態でした。
物価は上がるのに給料は上がらない。
買い物に行けば、「これ、前より高くなってない?」と感じるものばかり。
気づけば、私たちは“低い可処分所得のまま生き続けている国”になっていました。
でも、テレビやニュースを見ていると、
「企業の利益は過去最高です」
「株価は史上最高値です」
そんな言葉が並ぶ。
――じゃあ、なぜ私たちの生活は豊かにならないのか?
ここに、今回のテーマがあります。
ひとことで言えば、
日本の停滞は“ひとつの原因”では説明できないということです。
政治、経済、企業文化、価値観の変化……
それらが“少しずつズレて”重なり、
結果として大きな停滞をつくり上げてしまった。
たとえば企業はどうか。
昔の日本企業には、
「良い製品をつくる」
「品質を守る」
「職人魂を大事にする」
という文化がありました。
あなたも、品質管理の観点から現場を見てると思いますが、
あの頃の日本の品質は世界でも誇れるものでした。
ところが今は、様子がだいぶ違います。
企業は“株主”のほうを向き、
目標は「数字をよく見せること」。
内部留保はどんどん積み上がるのに、
働く人への分配は増えない。
未来を見据えた投資より、短期的な利益を重視する
――
そんな動きが主流になりました。
そして政治も同じです。
表向きは「やってる感」のある政策を打ち出しますが、
肝心の“庶民の暮らしをよくする仕組み”は整わない。
何か問題が起きても、本質には触れず、
対症療法のような対応ばかり。
こうして、
政治も企業も、そして国全体も、
それぞれが“部分的に”動いてしまっている。
全体を見て、調和を取ろうとする動きが弱くなっている。
私は、日本の停滞は、
まさにこの“構造の歪み”から生まれていると考えています。
でも、普通に生活していたら、
この歪みはなかなか見えてきません。
ニュースを見ても断片的な情報ばかりなので、
「何がどう悪いのか」がつかめない。
だからこの連載では、
“なるべくわかりやすく”“ひとつの視点から全体を見渡す”
そんな形で、日本の停滞の正体に近づいていきます。
今回の第1章は、その導入編です。
深い分析はこれから順に進めていきますが、
ここで一つだけ種明かしをすると、
私はこの話の根底に“ある考え方”を使っています。
それが アトラス理論 です。
といっても、専門用語を並べるつもりはありません。
後の章でわかりやすく説明しますし、
読んでいけば自然と、「ああ、こういう見方か」と理解できるようにします。
次の第2章からは、日本経済のどこで歯車が狂い始めたのか
その“最初の兆し”を追いかけていきます。
つづく。
