寓話論考:三峡ダムに溜まる借金の水位と日本の選択

中国経済

こんにちは、\イッカクです/
今回は、中国の経済危機について

三峡ダムに溜まる借金の水位と
日本の選択

1 巨大な堤の建設

中国はこの四半世紀、世界の工場から世界第二の経済大国へと駆け上がりました。
その象徴が、不動産バブルとインフラ投資です。
高層ビル群、巨大空港、そして世界一の三峡ダム。
これらは「国家の威信」を示す堤のようにそびえ立ちました。
しかし、輝かしい外観の裏で、堤の背後には水が溜まり続けていました。
その水とは「債務」です。
2025年時点で、中国の政府債務残高は134兆元(約2800兆円)に達し、
GDP比で約88%。
さらに地方政府の「隠れ債務(LGFV)」を含めれば
200兆元超(約4000兆円)とも推計されます。
これは日本や米国に次ぐ規模であり、新興国としては異例の高さです。

2 水位の上昇と見えない圧力

債務の水位は年々上昇しています。
2022年に93兆元だった政府債務は、2023年に106兆元、
2024年に119兆元、そして2025年には134兆元へと急増しました。
もちろん、政府は水門を操作します。
国債を発行し、
人民銀行が公開市場操作で買い入れる。
2025年には1.3兆元規模の超長期特別国債が発行され、
地方債務の肩代わりや景気刺激に充てられました。
人民銀行は200億元規模の国債買いオペを実施し、
市場に元を供給しました。
しかし、これは「古い借金を新しい借金で返す」
借り換えに過ぎません。
割れ目の入った壺に新しい土を塗り重ねるようなもの。
壺は形を保ちますが、重さと脆さは増していきます。

3 瓦礫が隣の庭を覆う

この債務の水は、
やがて堤を越えて隣国・日本の庭にも流れ込みます。
中国企業は内需の冷え込みを補うため、
輸出に活路を求めます。
その結果、ダンピング輸出が加速します。
鉄鋼、太陽光パネル、EV電池。
これらは中国が過剰生産を抱える分野です。
世界の太陽光パネルの8割以上は中国製。
EV電池でも中国企業が世界シェアの半分以上を握ります。
安価な製品は一見ありがたいように見えます。
しかし、その多くは「安さ優先」で作られ、
品質や耐久性に問題を抱えています。

特にソーラーパネルは、
日本の山林や農地を覆い尽くし、
自然環境や景観を破壊する要因となっています。
2020年代以降、日本各地でメガソーラー建設に伴う
山林伐採や土砂災害リスクが問題化しました。
再生可能エネルギーの名の下に、自然が削られていく。
これは「黒い鏡が森を覆う」寓話そのものです。
最近の「熊の出没」との関係も、ゼロではなさそうです。

4 黒い鏡と未来の鎖

ソーラーパネルは「黒い鏡」として自然を覆い隠し、
EV電池は「重い鎖」として資源依存を強めます。
再生可能エネルギーは本来、環境を守るための手段であるはずです。
しかし、安価な中国製品に依存することで、
日本は「環境を守るために環境を壊す」という逆説に陥っています。
さらに、これらの製品は廃棄時に新たな環境負荷を生みます。
耐用年数20〜30年のソーラーパネルが大量に廃棄される
「2030年代問題」はすでに指摘されています。
もしリサイクル体制が整わなければ、
黒い鏡は「未来の瓦礫」として積み上がるでしょう。

5 高市政権の対応

では、日本はどう応じるのでしょうか。
高市政権は、中国経済の停滞とダンピングの影響を強く意識しつつ、
「責任ある積極財政」と「経済安全保障」を軸に
対応を進めようとしている様子です

  • 責任ある積極財政
    高市首相は「経済あっての財政」を掲げ、
    AI・半導体・造船など17分野を戦略産業に指定し、
    財政出動を集中させようとしています。
    これは中国依存を減らし、日本の産業基盤を強化する狙いです。

  • 経済安全保障の強化
    中国製品の過剰依存を避けるため、
    サプライチェーンの多様化を推進しようとしています。
    特にエネルギー・食料・医療分野を「安全保障」と位置づけ、
    国内生産や同盟国との連携を強める方向性を示しています。

  • 外国資本への規制
    中国資本による土地取得や不透明な投資に対しては、
    国益優先の管理型モデルを導入し、
    規制を強化しようとする姿勢が見られます。

寓話的に言えば、
高市政権は「新しい堤防」を築き、
国内の苗木(国産技術)を育て、複数の井戸(調達先)を掘る
ことで濁流に備えようとしているという図式です。

これは、あくまで実行するかどうかは別です。
姿勢だけは、そのような方向に動こうとしているということです。
実行するか否かは、わたしたち国民が関心を持って監視を
することが大切です。

6 出口の寓話

さて、では、我々はただ濁流に呑まれるしかないのでしょうか。
答えは否です。寓話の中に出口は示されています。

  • 複数の井戸を掘る
    調達先を多様化し、中国依存を減らす。

  • 苗木を育てる
    国産技術やリサイクル産業を苗木として育てる。

  • 壊れた器を焼き直す
    廃棄されるパネルや電池を循環資源に変える。
    (この件に絡むことで、パネルの無公害リサイクル開発の企業の
    社長さんが、謎の死を遂げています。良いことをする日本人が
    どうして、タヒさせられてるのか?🙏残念です。)

    瓦礫を資源に変えることができれば、荒れた庭は再び緑を取り戻すでしょう。

7 結び

三峡ダムに溜まる水は、
いまや洪水の一歩手前にあります。
中国政府は水門を操作し続けていますが、
根本的な水量削減には至っていません。
その濁流は隣国・日本の庭にも流れ込み、
黒い鏡と重い鎖として自然と社会を覆い始めています。
しかし、日本には選択肢があります。
高市政権が示そうとしているように、
国内の苗木を育て、複数の井戸を掘り、壊れた器を焼き直すこと。
寓話は警告であると同時に、
希望の道筋でもあるのです。
黒い鏡に覆われた大地を、
再び森と共に歌う大地へと変えるために。

では、また。
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