こんにちは、\イッカク です。/
今回は、「国会議員の巧みな言葉に気をつけよう!」 です。
「非課税」発言という政治演目
はじめに|本当に起きているのは何か?
今朝のニュースを見て、こう感じなかっただろうか。
「何か大きなことが起きているようで、
でも肝心なところが、どこか掴めない」と。
衆議院解散の示唆、そしてほぼ同時に投げ込まれた
「飲食料品を2年間、消費税の対象としない」という発言。
一見すると大胆で、国民生活に寄り添った政策転換のようにも聞こえる。
しかし、少し立ち止まって言葉と構造を眺めると、
別の像が浮かび上がってくる。
これは政策の話というより、政治がどのような「演目」を見せているかの話だ。
演目1|解散「発言」というフック
まず注目すべきは、解散そのものではなく、
解散を示唆・宣言するという発言行為である。
解散は本来、政治的行き詰まりを打開する最終カードのはずだが、
今回の使われ方はそれとは異なる。
実行前に大きく報じられる
是非よりも「覚悟」「決断力」という印象が先行する
賛否の感情だけが一気に加速する
ここで機能しているのは制度ではない。
観客(国民)の視線を一度、舞台中央に集めるための注意喚起装置だ。
演目2|「非課税」という曖昧な飴玉
次に投げ込まれたのが、
「飲食料品を2年間、消費税の対象としない」という言葉である。
言っていないことに注目する
この発言には、明確に避けられている言葉がある。
減税とは言っていない
税率を下げるとも言っていない
消費税ゼロとも言っていない
廃止や恒久措置でもない
選ばれたのは「非課税」という、
制度的には非常に曖昧で、受け手が自由に期待を膨らませやすい表現だ。
マスコミはこれを
「与党内にどよめき」「踏み込んだ決断」と語るが、
実際に語られているのは制度の骨格ではない。
非課税がもたらす、もう一つの現実
ここは、ほとんど報じられないが極めて重要な点である。
事業者側に起きる構造
非課税措置が取られた場合、
小売店や飲食店などの事業者は、
仕入れ時に支払った消費税を控除できなくなる。
その結果、次のような現象が起きうる。
実質的なコスト増
価格転嫁の困難
体力のない事業者からの脱落
国民には「負担軽減の期待」が配られ、
現場には「静かな負荷」が配分される。
しかも期限は2年。
混乱と疲弊だけを残し、
「やはり元に戻す」という選択も容易にできる設計だ。
アトラス理論による構造分析
ここでアトラス理論の枠組みを使い、構造を整理する。
Intention(根源)
消費税制度そのものを変革する意図は観測されない
選挙局面での注意誘導が主目的
Information(設計)
減税・税率変更といった明確語を回避
誤解を許容する曖昧語を採用
期限付きで制度責任を先送り
Imagination(現象)
国民側には「実質減税では?」という期待像
事業者側の不利益像は可視化されない
以上より、
Intention・Information・Imaginationは接続しておらず、
本件は乱列構造に該当する。
これは嘘の構造ではない。
しかし、誤解が生じることを前提に設計された発話構造である。
おわりに| では、私たちはどこを観測すべきか
誰の言葉が派手だったかではない。
何が実行されそうか、でもない。
観るべきなのは、次の点だ。
どの言葉が選ばれたのか
どの制度説明が省かれたのか
誰にとっての現実が不可視化されたのか
そこに目を向けることで、
私たちは舞台の上の演技ではなく、
台本と照明の位置を読むことができる。
今朝のニュースは、
私たちが観客で終わるのか、
それとも構造を読む側に立つのか。
その分かれ目を、静かに示している。
では、また。

