こんにちは、\イッカクです/
 今回は、アメリカの新右派の乱立について
 まずは、こちらの動画を
コチラは、ソース:
 神戸大学の井上弘貴教授へのインタビューの一部であり、ドナルド・トランプ大統領の登場以降に顕在化したアメリカの「新保守」の潮流について分析しています。特に、白人人口の相対的マイノリティ化への懸念が背景にある中で、既存の共和党主流派(小さな政府と国際介入主義)に対する不満から、文化戦争や海外介入への懐疑論を抱く勢力が台頭している現状を解説しています。
■編集後記
 提供された情報源に基づき、以下に
 アメリカの「新右翼」の構造とデータをマインドマップ形式の
 文字列(アウトライン)として整理します。
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 アメリカの「シン・保守」(新右翼/ニューライト)の構造とデータ
 I. 概論と背景
 • 中心概念: アメリカの「新右翼」(シン・保守)。
 • 専門家の見解: 専門はアメリカの政治、特に歴史と思想の観点から政治を見る(神戸大学 井上弘貴先生)。
 • 台頭の時期と状況:
 ◦ 2016年以降のアメリカの状況は「混沌そのもの」と表現される(リベラルな社会を基準とした場合)。
 ◦ 新右翼は、戦後の右翼がリベラルに対するアンチの立場でアイデンティティを作ってきた歴史を持つ。
 ◦ 主流派の交代劇: 2016年以降、それまで主流だった右派の人々が力を落とし、代わりにそれまで防流だった人たちが自分たちこそ主流だと主張して出てきた交代劇が発生した。
 II. 旧主流派が力を失った背景(交代劇の要因)
 新右翼が力を強めた背景には、従来の共和党/保守主流派の基本的な形に対する疑問や批判がある。
 1. 文化戦争の激化と価値観の対立
 ◦ 従来の主流派(経済的な「小さな政府」、大外的な「世界の警察官」としての介入主義)の立場が揺らぐ。
 ◦ 文化や道徳の観点で、政府が積極的に口を出すべきだという空気が強まった。
 ◦ リベラルと保守(右派)の価値観の対立がこれまで以上に強まった。
 2. 海外介入主義(世界の警察官)への反省
 ◦ 2000年代の「テロとの戦い」(9.11後のアフガニスタン、2003年のイラク侵攻)がうまくいったのかという反省が右派内部からも出てきた。
 ◦ 「もう世界のことに関わらなくていいじゃないか」という孤立主義的な声が右派の中で力を持ってきた。
 ◦ 多くの人がトランプに投票した背景には、この主流派からの交代劇があった。
 III. 新右翼の主要な潮流(多様な「野合」)
 新右翼は決して一枚岩ではなく、様々な思想や運動の集合体である。
 1. オルトライト (Alt-Right)
 ◦ 特徴: 非常に白人至上主義的な傾向が強い。男性中心主義的、いわゆる差別的な側面を持つ人々。
 ◦ 起源と活動: 以前は右翼の中でも脇に追いやられていたが、90年代からのインターネット普及、2010年代のSNS登場により、匿名で活動し、カジュアルに差別的な事柄が共有できる環境が整った。
 ◦ 構成: 極右と言われていた人々と、比較的軽度でマッチョな白人至上主義的メンタリティを持つ人々(ネット中心)のゆるやかな運動の総称。
 ◦ 代表的人物例: スペンサー(南部の名門大学出身のエリート層)。
 2. ナトコン (NatCon/ナショナル・コンサバティブ/国民保守主義)
 ◦ 中心思想: 国民国家をもう一度再評価し、再強化しようという立場。
 ◦ グローバル化への批判: グローバル化によりコミュニティの繋がりが崩壊し、個人がむき出しのマーケットの暴力にさらされたと主張。
 ◦ 重視するもの: 伝統や文化、歴史、特に宗教(キリスト教、ユダヤ教)を国民国家の基盤として重視する。家族も含む。
 ◦ 代表的人物例: ユラム・ハゾニー(イスラエルのシオニスト)。彼は、国家を持たないことが悲惨な結果(ホロコーストなど)を招いたと考え、国民国家の不可欠性を強調する。
 3. テック右派 (Tech Right)
 ◦ 背景: テクノロジーの急速な進歩という地球規模の出来事がある。
 ◦ 特徴: 従来の保守の枠組みを完全に超えており、アメリカ社会の右と左の対立図式自体を根本的に変えてしまう可能性を秘める。
 ◦ 思想: テクノロジーの無限の進歩に自らを委ねる。人間とは何かを変えてしまう可能性を持つ。極端な価値観と技術の進歩を矛盾なく繋げている(例:イーロン・マスク)。
 ◦ 力/影響力: 使える資金や影響力が非常に強く、もはや小さな国よりも大きい存在感を放っている。
 ◦ 伝統との関連: 古典的自由主義すら捨てようとする人々も含まれる。彼らのエネルギーはアメリカを根底から覆す潜在性を持つ。
 ◦ 代表的人物例: ピーター・ティール(投資家、PayPal創業者、パランティール経営)。彼はキリスト教的な信仰を持ち、『ゼロ・トゥ・ワン』といった著書にその影響が見られる。
 4. その他の潮流
 ◦ リフォーム、ペイリオコ(以前から存在する)、ポストリベラル派。
 IV. 注目すべき概念と思想
 • 進歩とテクノロジーの伝統:
 ◦ アメリカでは、信仰(聖書)とテクノロジー(科学技術)は密接に結びつき、アメリカの進歩を前進させる「両輪」であるという意識が昔から存在した。
 ◦ 歴史的例: 19世紀の「マニフェスト・デスティニー」(大いなる天命)。アメリカを擬人化した女神が持つのは「本」と「電信」(情報技術)であり、これがフロンティア拡大の使命感の手段とされていた。
 • 「大いなる置き換え」(グレート・リプレイスメント)
 ◦ 懸念: 人口統計上の予測として、遠からず白人が相対的にマイノリティになる時代がやってくる。
 ◦ 反応: これまでアメリカが前提としていた「白人の国アメリカ」が覆されることに強い危機感を感じている人々がおり、極右主義の台頭は決して偶然ではない。
 • 多様性(アイデンティティ)の位置づけ
 ◦ 新右翼は、多様性という価値観が社会の主導権を握り、全てを変えてしまうようなあり方に強い危機意識を持っている。
 ◦ アイデンティティ・ポリティクスへの批判: 個人のアイデンティティ(例:性的思考、民族的背景)と、その集団が掲げる理想が密接に結びついていなくても良いという考え方が右派には存在する。
 ◦ 具体例: ピーター・ティールは同性愛者であるが、共和党に傾倒している。マイノリティ的な側面を持つ人が、右派的な価値観を掲げ、アイデンティティ・ポリティクスには組しないという状況が起こり得る。
 V. 新右翼の今後の可能性
 • 集約の可能性: 何か一つの体系的な思想にまとめられる可能性は低いが、過去のニューライト(第1、第2)と同様に、緩やかな繋がりを持ちつつ、一つの運動として続いていく可能性はある。
 • テック右派の牽引力: この全体の中で、テック右派は周囲を引っ張っていくリーダーシップの力が強く、最も注目に値する潮流である。彼らの思想は従来の左翼/右翼、進歩/保守の図式を大きく変える時期に来ているかもしれない。
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 理解を深めるための比喩
 このアメリカの「新右翼」の状況は、まるで古い道路標識(旧保守の価値観)が地震で崩れ落ちた交差点に似ています。以前は脇道だったオルトライトやナトコン、そして空から降ってきたような最新鋭のドローン(テック右派)といった多様な車両が、「自分たちこそが新しいメインストリートだ」と主張し、どの方向に進むべきか(社会の進歩の方向)をめぐって、一時的な混乱(混沌)と激しい競争(文化戦争)を繰り広げている状況です。彼らがどこへ向かうかによって、都市(アメリカ社会)の構造そのものが根本から変わってしまうかもしれないのです。
では、また。
 