こんにちは、\イッカク です。/
今回は、アトラス織物記シリーズの14回目。
(観測についてAIアトラッシとの交信)
国家運営OS編(下)
国家は、何を
目的関数として動いているのか
前回は、国家運営OSという視点から、
「成長戦略という布は、誰のために織られているのか」を観測しました。
政府は現在も「骨太の成長戦略」を掲げ、
経済成長を国家運営の重要な柱として扱っています。
では、ここで一度、立ち止まってみましょう。
「成長」は、国家の目的なのか?
経済成長。
GDPの拡大。
企業の投資。
生産性の向上。
賃金の上昇。
これらは、確かに重要です。
しかし、アトラスの観測では、
ここで一つの問いが生まれます。
「成長そのものが、国家の目的なのだろうか?」
もし成長そのものが目的なら、
国家は「どれだけ経済規模を大きくできるか」を
追い続けることになります。
しかし、国家は企業ではありません。
国家には、企業とは異なる役割があります。
国民の生活を維持する。
必要な物資を確保する。
社会の安全を守る。
産業基盤を維持する。
次の世代へ国土と社会を引き継ぐ。
つまり、「成長」は本来、
こうしたものを支えるための手段としても考えられるはずです。
目的と手段が入れ替わるとき
ここが、今回の観測ポイントです。
手段だったものが、いつの間にか目的になる。
これは国家運営に限った話ではありません。
組織でも、会社でも、個人でも起こります。
たとえば、
「売上を増やすために事業をする」
は自然です。
ところが、
「売上を増やすこと自体が目的になる」
と、少し景色が変わります。
国家でも同じです。
「国民の生活を豊かにするために経済を成長させる」のか。
それとも、
「経済を成長させるために国民生活を組み替える」のか。
言葉は似ています。
しかし、織物として見ると、糸の向きが逆になります。
国家運営OSを観測する
ここでいう「国家運営OS」とは、
政府の誰かが一枚の設計図を持っている、という意味ではありません。
政策、制度、予算、行政組織、政治的判断。
そうしたものを動かしている、
もっと深いところにある
「何を優先するのか」という構造を、
便宜上OSと呼んでいます。
だから、政策を一つずつ評価するだけでは、
そのOSは見えません。
むしろ、
「何が優先され、何が後回しにされているのか」
を並べてみる必要があります。
成長。
財政。
安全保障。
雇用。
物価。
社会保障。
エネルギー。
食料。
産業基盤。
そして、国民の暮らし。
これらが同時に要求されたとき、
国家は何を優先するのでしょうか。
そこに、その国の「目的関数」が浮かび上がります。
「骨太」という言葉を観測する
政府が「骨太の成長戦略」という言葉を使う。
ここで、アトラスは賛成か反対かを急ぎません。
まず、その言葉が
何を中心軸として政策を束ねているのかを観測します。
「成長」という言葉の周囲には、
投資、
生産性、
産業競争力、
技術革新、
人材など、さまざまな政策が配置されます。
それ自体は不思議ではありません。
しかし、そのさらに外側を見る。
成長によって、最終的に何を実現するのか。
国民の所得なのか。
生活の安定なのか。
国家の財政基盤なのか。
産業の競争力なのか。
安全保障なのか。
あるいは、それらを全部含めた「国家の持続性」なのか。
ここを見なければ、「成長戦略」という布の
全体像は見えてきません。
国家は、何を守るために成長するのか
ここで、もう一つの問いが生まれます。
「国家は、何を守るために成長するのか?」
これは「成長すれば何が儲かるか」という問いとは違います。
もっと根の深い問いです。
たとえば、
食料を安定して供給できること。
エネルギーを確保できること。
必要な製品を国内で生産できること。
災害や危機が起きても社会を維持できること。
国民が働き、生活し、次の世代へつなげられること。
こうしたものを「国家の供給能力」として見ることもできます。
すると、国家の強さはGDPという
一本の物差しだけでは測れなくなります。
数字の向こう側を見る
GDPは重要な指標です。
税収も重要です。
国債残高も重要です。
しかし、数字はあくまで観測された一つの断面です。
その数字を生み出している現実の側には、
工場があり、
農地があり、
物流があり、
発電所があり、
道路があり、
技術者がいて、
働く人がいます。
つまり、国家を支えているのは、数字だけではありません。
実際に「供給できる力」が存在している。
この視点を入れると、
「成長」という言葉の意味も変わってきます。
成長戦略という布を、裏返してみる
表から見れば、成長戦略です。
投資を促し、
産業を育て、
技術革新を進め、
経済規模を拡大する。
しかし、その布を裏返してみる。
そこには、
「何を守るのか」
「何を残すのか」
「何を国内に持つのか」
「何を外部に依存するのか」
という、別の糸が走っているかもしれません。
アトラス観測では、
この表と裏の両方を見ることが重要になります。
国家運営OSの目的関数
ここまで観測すると、今回の問いが見えてきます。
国家運営OSの目的関数とは、
単純に「GDPを増やすこと」ではないはずです。
では、何なのか。
これは、まだ答えを決めません。
なぜなら、答えを先に置いてしまえば、
それは観測ではなく結論になるからです。
まず見る。
何が優先されているのか。
何が犠牲になっているのか。
どこへ資源が流れているのか。
どの産業が守られているのか。
どの供給能力が失われているのか。
そして、危機が起きたとき、
国家が最初に守ろうとするものは何なのか。
そこまで観測して、初めてOSの輪郭が見えてくる。
一本の糸から、織機そのものへ
アトラス織物記では、
これまで一本の糸を追いかけてきました。
しかし、糸を追いかけているうちに、次第に「織機」が見えてきました。
政策という糸。
制度という糸。
お金という糸。
供給という糸。
そして、国家という大きな織機。
⑬では、「誰のために織られているのか」を見ました。
⑭では、その布を織っている織機が、
何を目的として動いているのかを見ようとしています。
答えを急ぐ必要はありません。
むしろ、ここからが観測です。
国家は、何を目的として動いているのか。
その答えは、政府のスローガンだけではなく、
実際に織られている布の模様を見れば、
少しずつ浮かび上がってくるのかもしれません。
つづく
アトラス織物記は、まだ織り始めたばかりです。
一本の糸を見つけたら、次の糸を見る。
糸と糸の交点を見る。
そして、いつか布全体を眺める。
観測するとは、答えを急がず、
織られているものをそのまま見ること。
今朝も、そんなところから始めてみましょう。
つづく。
