こんにちは、\イッカク です。/
今回は、2025年の参院選期に
TBSの報道番組『NEWS23』でも取り上げられた、
れいわ新選組代表・山本太郎氏の消費税批判について、
事実に基づく形で整理してお伝えします。 先ずは、コチラ
では、なぜ消費税は30年放置されたのか
――アトラス理論(3I)による構造解析
(固定定義:Intention=根源/Information=設計/Imagination=現象)
はじめに
参院選期のテレビ討論などで、
れいわ新選組・山本太郎氏は、
消費税が国民の経済生活に与えてきた悪影響を、
かなり踏み込んで指摘してきた。
しかし、その発言に対し、
与野党の多くの議員は賛同の相槌も打たず、淡々としていた。
なぜなのか。
消費税創設の是非や当時の政治判断を一旦脇に置き、
「なぜ30年もの間、構造が放置され続けたのか」を、
アトラス理論(3I)で整理する。
① Intention(根源)
国家側の根源的なIntentionは、
一貫して次の一点に収束してきた。
財政を“荒れにくく保つ自動安定装置”を維持すること
消費税は、
景気変動に左右されにくい
国民全体に薄く広く負担を分散できる
政治的責任の所在を曖昧にできる
という特性を持つ。
ここで重要なのは、
「国民生活の改善」よりも
「国家運営の安定」が優先されたという点だ。
善悪ではなく、
根源Intentionの向きがどこを向いていたか、
という構造の話である。
② Information(設計)
このIntentionを維持するために、
次のようなInformation(設計情報)が長期にわたり固定化された。
「消費税は社会保障のため」
「高齢化社会だから仕方ない」
「代替財源がない」
「減税はポピュリズム」
これらは“議論の材料”ではなく、
思考停止を促すための定型句として機能した。
官僚答弁、
教科書、
報道、
与野党の常識として
繰り返し流通し、
30年間アップデートされない
前例踏襲型の古い政治運用システム(古い政治OS)として
社会に定着したのである。
③ Imagination(現象)
その結果として現れたImagination(現象)は、次のようなものだ。
個人消費の慢性的低迷
中小事業者の体力低下
実質賃金の停滞
「理由は分からないが、ずっと苦しい」という感覚の常態化
しかし、この苦しさは
「税制という構造の結果」として可視化されなかった。
代わりに、
自己責任
努力不足
時代の流れ
として個人の問題だと想像(Imagination)
させられ続けた。
なぜ議員たちは相槌を打てなかったのか
これは個々の議員の勇気や誠実さの問題ではない。
構造的に“打てない”のである。
理由①:与野党共通の基礎設計に触れてしまう
消費税に賛同の相槌を打つことは、
過去30年の政策判断全体を問い直すことを意味する。
それは自らの賛成・沈黙・不作為の履歴を
一斉に照射する行為だ。
理由②:官僚・政党・メディアの共通言語を壊す
山本太郎氏の発言は、
既存のInformation設計とは異なる「成列」されたOSで語られている。
相槌を打つこと自体が、構造からの離反を意味する。
理由③:責任の所在が個人に戻る
賛同した瞬間、次の問いが避けられなくなる。
「では、なぜ、オタクらは、今まで放置してきたのか?」
沈黙は、自己防衛として最も合理的だった。
注釈:国民も他人事だったのか?
しばしば「国民の無関心」が指摘される。
だが、無関心は原因ではない。結果である。
税は専門家の話
財政は難しい話
政治は変わらない
こうした心理状態は、
長期にわたるInformation設計によって形成された。
国民は無関心だったのではなく、
無関心であることが合理的になる環境に置かれていた。
結論
消費税は国家側Intentionにとって極めて都合が良かった
その正当化Informationは30年間更新されなかった
国民と議員の沈黙というImaginationは、設計された現象だった
だからこそ、消費税を真正面から批判する発言は“異物”として浮き上がる。
それは感情論でも扇動でもない。
構造を言語化した瞬間に生じる、必然的な摩擦なのである。
※本稿は、賛否や評価を目的とせず、構造理解のための整理である。
では、また。
